20年の活動を振り返り、高橋博会長(前列中央)を囲む住民=松江市淞北台、淞北台会館
20年の活動を振り返り、高橋博会長(前列中央)を囲む住民=松江市淞北台、淞北台会館

 半世紀以上前の1968年に分譲を始め、島根県内の大規模団地の草分け的存在として知られる淞北台団地(松江市淞北台、458世帯)で、高齢者らの生きがい作りに自発的に取り組む「淞北台いきいきライフを推進する会」の活動が20周年を迎えた。高齢化率が市平均より10%高いが、要介護率は平均わずかながら低く、専門家は、全国のモデルケースになり得ると、注目する。
      (今井菜月)

 高台にある団地には936人が住み、高齢化率は39・9%。市平均の29・9%を大きく上回る。スーパーなど店舗の集積地まで行くのに、勾配がきつい坂道を行かなければならず、住民の間で、健康維持に関する意識が高い。

 会は、自治会有志が2001年に発足させた。「みんな楽しく元気に老いていこう」を合い言葉に、健康講座や趣味のサークルを運営。このうち「カラオケを楽しもう会」や、「男の料理教室」など16グループに延べ205人が登録する趣味サークルは出会いや交流の場として活動の中核になっている。

 高齢化率が市平均を10%上回っているが、今年3月現在の要介護認定率は20・1%と市平均より0・2ポイント低い。この傾向はここ6年変わっておらず、高橋博会長(88)は「一過性の数字ではない。活動の通信簿だと思っている」と継続の成果を強調する。

 超高齢社会に向き合う先進地域として、淞北台を17年間研究している法政大現代福祉学部の宮城孝教授(64)は「自分たちでできることと、支援を求めることを的確に判断して(活動を)続ければ、介護予防ができることを証明してくれた」と話す。

 5日には、関係者が集まり20年間の活動を振り返った。4年後には、団地内の高齢者の半数が85歳を超えることも想定されるといい、住民による活動も限界を迎えつつある。だが、住民の発想でつくりあげてきた活動モデルは、これから高齢化率が上がっていく地域の道しるべになるとメンバーは確信している。