「第6波」に備えた都道府県の医療計画
「第6波」に備えた都道府県の医療計画

 厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの流行「第6波」に備えた都道府県ごとの医療提供体制の確保計画を公表した。今夏の第5波で医師や看護師が不足し、患者を十分に受け入れられなかった反省を踏まえ、全国の約2千の医療機関の協力を得て約6千人の医療人材を派遣できる態勢を整えた。感染拡大で病床確保が追い付かない場合に、自治体が整備する臨時医療施設などで治療に当たってもらう。

 派遣可能な人材は医師、看護師ともに約3千人で、島根県など一部地域は調整中。鳥取県は医師31人、看護師18人を派遣できるとした。都道府県をまたいだ派遣も視野に入れている。第5波では人材確保がネックとなり、病床増や、自宅療養者の受け入れが難航。症状が悪化しても入院できずに亡くなるケースが相次いだ。

 新たな計画では都道府県が各病院と書面を取り交わし、政府が11月に決定した対策の全体像で掲げたように、第5波ピークの約3割増となる約3万7千人が入院できる体制を構築。病床に余裕を持たせ、子どもら特定の患者を対象とする分を含めて約4万6千床を確保した。

 後藤茂之厚労相は公表に先立つ7日午前の記者会見で、国内で感染確認された新たな変異株「オミクロン株」を踏まえ、患者の受け入れ体制について「条件が変われば見直す」との考えを示した。感染力や治療薬、ワクチンの効果などを「総合的に勘案し、3割増が十分であるかを評価せざるを得ない」と説明。「医療提供体制の構築を臨機応変に進めていきたい」とも述べた。

 自宅療養者に対応するため延べ約3万4千の医療機関などと連携。陽性判明当日か翌日に連絡を取り、健康観察や診療を受けられるようにする。

 第5波では自宅療養者が急増し、入院調整が追い付かないケースがあった。このため保健所の人員体制を最大で平時の約3倍に強化。宿泊療養施設は今夏の1・4倍の約6万6千室とする。

 厚労省は10月、都道府県に対し、第5波を踏まえて従来の計画を見直し、11月末までに取りまとめるよう要請していた。