トランスジェンダーの情報を発信する「trans101.jp はじめてのトランスジェンダー」のサイト画面
トランスジェンダーの情報を発信する「trans101.jp はじめてのトランスジェンダー」のサイト画面

 出生時に割り当てられた性別と自認する性が異なるトランスジェンダーを巡り、「性犯罪が増える」など根拠不明のデマがインターネット上で流れている。差別目的で拡散されたものもあることから、このほどファクトチェック(事実確認)の結果や正しい知識を発信し、ヘイトスピーチに対抗する情報サイトが立ち上がった。

 情報サイトは「trans101.jp はじめてのトランスジェンダー」。性的少数者(LGBTQなど)の若者を支援する団体「にじーず」の遠藤まめた代表(34)が11月につくった。101は「基礎講座」を意味し、知識がない人にも分かりやすいようにとの思いが込められている。

 サイトでは、「トランスジェンダーはどれくらいの割合で存在しますか」との問いに回答した「よくある質問」コーナーや、Xジェンダーを「男女いずれの一方に限定されない性自認を持つ人」と説明するなどした基本用語集を用意した。

 また、ファクトチェックのコーナーでは、海外の有名作家の発信から広まった「性別変更を後悔する人が多い」という不正確な情報を公的機関の報告書を用いて否定。「トランスジェンダー女性と主張すれば痴漢目的で女性用トイレに入っても逮捕されない」との誤った情報についても、刑法違反などに問われる痴漢行為は「性別にかかわりなく成立する」と弁護士が打ち消した。

 「ネット上には恐怖や不安をあおる誤った情報があふれているが、正しい知識を伝えるサイトは少なかった」とする遠藤さんは「当事者が職場や医療で直面する問題も取り上げていきたい」と話している。アドレスは https://trans101.jp

 

▼トランスジェンダー 出生時の性別とは異なる性別を自認する人のこと。英語のつづりは「TRANSGENDER」で、トランスは「超えて」、ジェンダーは「性別」の意味。性自認を巡っては、男女どちらかに性別が限定されない「ノンバイナリー」や「Xジェンダー」の人もおり、企業などで性別を特定せずに使えるトイレを設けたり、学校の制服に選択肢を増やしたりする取り組みが広がっている。