うっすらと雪が積もった国道54号を通過する車両=17日午後8時23分、島根県飯南町花栗
うっすらと雪が積もった国道54号を通過する車両=17日午後8時23分、島根県飯南町花栗

 山陰両県は17日、上空に今季一番の寒気が流れ込み雪が降り、西寄りの強い風が吹いて天気が荒れた。シジミ漁船が転覆し、公共交通機関のダイヤが乱れるなど各地で影響が出た。

 気象庁によると、午後5時現在の各地の最大瞬間風速は、湖山(鳥取市)30・3メートル▽松江28・0メートル▽米子26・1メートル▽西郷岬(島根県隠岐の島町)24・2メートル▽浜田23・3メートル―など。

 午前10時ごろ、松江市国屋町の宍道湖ではシジミ漁に出た漁業男性(29)の船が転覆。松江署によると、男性は島根県の防災ヘリに救助され、目立った外傷はないという。当時、強風波浪注意報が出ており、風速11・1メートルだった。

 出雲市駅北町のJR出雲市駅では午前9時50分ごろ、ホーム待合室付近で落下物が見つかった。JR西日本米子支社によると幅97センチ、長さ96センチ、厚さ0・6ミリで重さ約1・26キロ。ホーム上屋根修繕工事で屋根に仮置きしていた、取り替えた屋根の一部で、強風で固定バンドをすり抜けて約4・6メートルの高さから落ちたとみられるという。

 松江道は雪で車の立ち往生が発生し、三次東ジャンクション(JCT、広島県三次市)-三刀屋木次インターチェンジ(IC、雲南市木次町下熊谷)間60・4キロが上下線とも午後5時20分から通行止めになった。午後8時現在規制が続いており、国道54号が迂回(うかい)路となる。

 公共交通機関も乱れた。JR米子支社によると、強風の影響で鳥取―益田間で計77本が運休や遅れが生じ、計1万5千人に影響が及んだ。空の便は、出雲発着の福岡便、隠岐発着の大阪便など計5便が欠航したほか、鳥取発羽田便が約2時間遅れた。隠岐汽船も海上のしけのため高速船、フェリーとも全便欠航した。

 松江、鳥取両地方気象台によると、寒波のピークは18日の朝まで。断続的に雪が降り、19日まで寒さが続くという。