乗客をもてなすJALふるさと応援隊のメンバー(左)
乗客をもてなすJALふるさと応援隊のメンバー(左)

 一畑電車の出雲大社前駅から松江しんじ湖温泉駅まで列車内で日本航空の客室乗務員がガイドし、特製弁当も楽しめる「ご縁つなぎ おもてなし列車」の運行が17日、始まった。来年1月まで計6回の実証実験で、周遊を促進する観光列車として商品化の可能性を探る。

 島根県内での滞在・周遊につなげるため、地域交通インフラを観光資源として活用しようとJTB山陰支店が発案した。一畑電車、一畑トラベルサービス、日本航空山陰支店、老舗旅館の皆美館が呼び掛けに応じ、連携する。

 午後0時42分に出雲大社前駅を出発し、松江しんじ湖温泉駅までの約1時間の行程。初回のこの日は11人が乗車し、しまね和牛や奥出雲マイタケなどの地元食材をふんだんに使った皆美館の特製弁当を味わった。

 ガイド役を務める「JALふるさと応援隊」の客室乗務員は、宍道湖七珍や一畑電車の運行の歴史を紹介し、「お味はいかがですか」と一人一人に声を掛けながら乗客をもてなした。JTBの林勇一山陰支店長は「目的地だけではなく、その移動でも楽しんでもらう。ツアーなどに組み込めるようにしたい」と話した。

 事前予約制で料金は1人5千円、1回の定員20人。利用客へのアンケート結果を基に、料金設定やプログラムの内容を検討する。

 (藤本ちあき)