年末年始に味わってもらおうと、生活困窮者や独居高齢者におせち料理や年越しそばを贈る団体が、島根県内にある。地域で支え合い、温かい年を迎えられるよう願いを込め、準備を進めている。
吉賀町社会福祉協議会は30日、町社協の配食サービスを利用する65歳以上の高齢者、生活困窮者、障害者の計180世帯に手作りのおせちを無料で配る。
ばら寿司(ずし)やフルーツきんとん、煮しめなどを詰め込んだおせちで、卵や大根など食材の一部は、町民から寄贈してもらい、約30人のボランティアが調理する。
町社協には新型コロナウイルス禍で、生活苦の相談に来る人が増え、昨年から独居高齢者のみだったおせちの配布対象を広げた。
事業担当の石井由香利さん(40)は「年末の忙しい時期に集まってくれるボランティアの町民のおかげで、温かい正月を迎えられる人がいる。おせちを介して支え合う地域につながればいい」と話した。
出雲市小山町の四絡コミュ二ティセンターが運営する子ども食堂「こうえん食堂」は31日、子育て世帯を対象に予約制で出雲そば60食を配布する。
そばは本田商店(雲南市木次町)が出雲市社会福祉協議会に寄贈した3800食を分けてもらった。こうえん食堂を立ち上げた、管理栄養士の園山咲子さん(38)は「伝統食を味わって、よい年越しをしてほしい」と話した。
(坂上晴香)