秋出しでも鮮やかなピンク色が特徴的なトルコギキョウの島根県独自品種「SO八雲コーラル」
秋出しでも鮮やかなピンク色が特徴的なトルコギキョウの島根県独自品種「SO八雲コーラル」
母の日に向け4月末に試験出荷が予定されるアジサイのオリジナル品種「星あつめ」
母の日に向け4月末に試験出荷が予定されるアジサイのオリジナル品種「星あつめ」
秋出しでも鮮やかなピンク色が特徴的なトルコギキョウの島根県独自品種「SO八雲コーラル」
母の日に向け4月末に試験出荷が予定されるアジサイのオリジナル品種「星あつめ」

 島根県農業技術センター(出雲市芦渡町)が、アジサイとトルコギキョウの新品種を開発した。アジサイは星がきらめくような花の色づきが特徴で、母の日(5月9日)に向けて今月末に試験出荷する。トルコギキョウとともに全国で評価の高い県独自品種のラインアップを強化し、栽培農家の所得向上につなげる。

 アジサイの新品種は花びらの先端がとがった八重咲きで、小ぶりな花が別々のタイミングで色づく。

 星のきらめきを思わせることから、名称は一般公募で「星あつめ」に決まった。本格出荷は2022年度になる。

 県独自のアジサイは5品種目で、これまでの「万華鏡」「美雲(みくも)」「銀河」「茜雲」は国内の新品種コンテストで入賞を重ねている。

 栽培する県アジサイ研究会(15戸)の多久和敏男会長(62)は「買ってから色づきが変わる楽しみがある。いい時期に市場に出したい」と期待する。

 一方、トルコギキョウは16品種目の開発で、名称は「SO八雲コーラル」。メイン品種「SO八雲小町」の課題だった10月出荷での白色化を抑えるよう改良し、宝石のサンゴのような鮮やかなピンク色を出すことに成功した。

 21年度から本格栽培となり、JAしまねが県内農家に4万5千粒の種子を供給。8月と10月の出荷を予定する。

 アジサイやトルコギキョウの小売価格は販売店によって異なり、県などは把握していないという。

 「星あつめ」と「SO八雲コーラル」の相場が見えるのは販売が始まってからだが、「万華鏡」や「銀河」の5号鉢(直径15センチ)でのインターネット通販相場は5千~6千円程度となっている。(木幡晋介)