「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」Kohei Kawatani(MASA)
「Tofu-Knife」Kohei Kawatani(MASA)
川谷光平さん(c)Hiromichi Hata
川谷光平さん(c)Hiromichi Hata
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」より
「Tofu-Knife」Kohei Kawatani(MASA)
川谷光平さん(c)Hiromichi Hata

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 松江市出身の写真家・川谷光平さん(29)=東京都在住=の写真集が、ドイツの写真コンペ「カッセル・ダミーアワード2020」で日本人初の最優秀賞を受賞した。44カ国から集まった395作品の頂点。日本人のセンスを海外に発信したいと意気込む川谷さんが、世界への一歩を踏み出した。 (増田枝里子)

 出版前の写真集「ダミーブック」を、世界的な写真専門家が審査する「カッセル―」は、2010年に始まり、業界では老舗コンペの一つ。最優秀賞作品は出版が決まっており、海外進出のチャンスとなる。

 川谷さんの作品は、作り込んだものや特別な環境で撮影したものはほぼなく、観葉植物など日常的な光景の断片を写した100枚を集めており、表現は鋭利だが、構図や色使いに繊細さ、柔らかさがある点が評価された。

 川谷さんが、写真への関心を強くしたきっかけは、10年に島根県立美術館であった故奈良原一高氏の個展だった。薄暗い展示室でスポットライトがあたるモノクロ写真に「現実を写し取ったとは思えない強さがある」と圧倒された。

 松江南高を卒業後に上京。文化服飾学院を経て都内の写真スタジオに勤務し、現在はフリーランスで活動する。

 受賞作は写真集「Tofu―Knife(トーフ・ナイフ)」としてトルコの印刷所が運営する出版部門から出版された。タイトルは、豆腐とナイフのそれぞれの意味は分かるが、くっつけるとイメージしづらい、という写真そのものの魅力を表現したという。

 川谷さんは「欧米が中心の写真の世界で、自分たちなりの視点や美意識の表現が評価されたことがうれしい。地元山陰の皆さんにも、写真集を手に取ってほしい」と呼び掛けた。

 山陰両県ではアルトスブックストア(松江市南田町、11~14日は臨時休業)と汽水空港(鳥取県湯梨浜町)で扱う。価格は店舗により異なり、アルトスは4400円。ウェブサイトでも購入できる(現在品切れ中だが、今後入荷予定)。https://sinrininfo.stores.jp/