「擂座線紋花器」(手前)などの備前焼が並ぶ展示室=安来市広瀬町布部、市加納美術館
「擂座線紋花器」(手前)などの備前焼が並ぶ展示室=安来市広瀬町布部、市加納美術館

 【安来】安来市加納美術館の初代館長を務めた故加納溥基(ひろき)氏の備前焼コレクションを中心とした企画展「備前焼に魅(み)せられて~土と炎」が、安来市広瀬町布部の同館で始まった。古備前から現代作家の名品まで計78点が来館者の関心を集めている。4月10日まで。

 溥基氏が備前焼に魅了されるきっかけになった藤原雄(1932~2001年)の「擂座(ゆるいざ)線紋(せんもん)花器(かき)」をはじめ、繊細な手仕事が光る金重陶陽(1896~1967年)の「麒麟(きりん)香炉」といった、人間国宝が手掛けた逸品を披露。

 古備前は21点を並べ、窯の中の灰が溶けて付着し独特の模様になった「玉垂(たまだ)れ壺(つぼ)」(鎌倉時代)や、高さ1メートル超の「三石(さんごく)大甕(おおがめ)」(桃山時代)などが目を引く。

 溥基氏は長く岡山県内で建設関連事業を営み、父である画家・加納莞蕾(かんらい)(1904~77年)の故郷に加納美術館を開設する際、山陰と山陽の文化交流・発展を願い多くの備前焼を収集。同館は約550点を所蔵し、備前焼の企画展は2018年以来の開催となる。

 火曜日休館。3月2日は展示替えのため休む。入館料は一般1100円、高校生・大学生550円、小中学生は無料。

  (渡部豪)