住民投票の実施に反対する意見を表明する伊木隆司市長=米子市加茂町2丁目、市議会
住民投票の実施に反対する意見を表明する伊木隆司市長=米子市加茂町2丁目、市議会

 中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働の是非を問う住民投票の条例案が1日、米子市議会に提出された。住民投票の実施を求めて署名した1万3364人の民意をどう受け止めるのか、市議が大きな決断を迫られる。3日に本会議で採決があり、成否が決まる。

 住民投票の実施に反対する意見書を付けて条例案を提出した伊木隆司市長は市議会本会議で、原発の再稼働に関わる市の意見は、市民の代表で構成する市議会の議論を踏まえて取りまとめることが最善だと強調。国のエネルギー政策の在り方や原発の安全対策など論点が多く「単に賛成、反対を選択するだけでは住民の多様な意見を反映することにならない」と述べた。

 本会議ではこのほか、2日の総務政策委員会で予定される条例制定の請求代表者による意見陳述の方法を巡り、市議5人が修正動議を提出。市議による質疑の実施や陳述時間を10分延長して40分間とするよう求めたが、賛成少数で否決された。

 この結果、2日は条例制定を請求した市民団体「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子」の代表4人が計30分以内で意見陳述を行い、委員会採決を実施。3日に再び本会議を開き、討論を経て、起立採決で住民投票を実施するかどうかを決める。

 提出された条例案は外国人を含む15歳以上の市民を対象に、2号機の再稼働と3号機の新規稼働について賛成か反対かを二者択一で問う内容となっている。
      (田淵浩平)