ライトで照らしながらウルイを収穫する永田寿秋さん=島根県津和野町笹山
ライトで照らしながらウルイを収穫する永田寿秋さん=島根県津和野町笹山

 【津和野】春を告げる山菜・ウルイの収穫が島根県津和野町笹山の永田寿秋さん(55)宅でピークを迎えた。薄暗いハウス内で30センチほどに伸びたウルイをライトで照らしながら、はさみで摘み取る作業は3月下旬まで続く。

 ウルイはユリ科の多年草オオバギボウシの別名。サラダやあえ物、天ぷらの食材として東北地方で盛んに生産される。津和野では、町の新しい特産品を創出しようと日原タラの芽生産組合(竹内和善組合長、28人)の部会員5人が2010年ごろ導入し現在、1・5ヘクタールで栽培されている。

 永田さんは40アールの畑で露地栽培したウルイの親株を11月に掘り起こして洗浄し、約20センチの大きさに分割しハウス内に並べる。遮光して18度で20日間加温すると白っぽい新芽が柔らかく育ち、収穫期を迎える。

 摘み取ったウルイは100グラムずつパック詰めして北九州や山陰の市場に出荷する。永田さんは「ウルイは知名度が低いが、春の特産として品質本位の生産地を目指したい」と話す。

 JA西いわみ営農部の鳥山正博担当(40)は「春の味覚といえば津和野のウルイと自信を持って出荷している。今年は4万パック、400万円の売り上げを目指している」と話した。

 (青木和憲)