鳥取県と鳥取市は9日、米子市在住の2人を含む計5人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。県内で確認された感染者は累計292人となり、島根を上回った。鳥取県は米子市で感染が拡大しているとして同日、繁華街を中心に同市内約650の飲食店を対象に、感染対策強化の緊急巡回指導を始めた。
県によると、4月に入ってから米子保健所管内で感染者が10人確認され、うち6人が変異株だった。感染経路が特定できない事例が散発しているという。
9日の県対策本部会議で平井伸治知事は「変異株が米子市を中心に相次いで見つかっている。場合によっては(飲食店への何らかの制限など)今までにない強い措置を取らざるを得ないかもしれない」と危機感を示した。
緊急巡回指導では、マスク着用での会食の徹底や間仕切りの設置を求める。検査体制強化のため、同市内で臨時のPCR検査センター設置も検討する。
9日の新規感染者5人は、ともに米子市在住の20代男性と10代会社員男性、年代・居住地非公表の会社員女性、年代・性別・居住地非公表の2人。9日午後1時現在、「現時点確保病床占有率」は「ステージ3(感染急増)」の目安25%を上回る30・3%。県は、病状が安定した入院患者について宿泊療養に移行し、占有率を減少させる。(福間崇広)