米子市の皆生温泉街周辺で2日、乗り合い電動カートの試験運行が始まる。車を運転しない近隣住民の買い物や通院に活用してもらうほか、宿泊客の周遊を促す狙いで、15日まで導入の可能性を探る。
カートは長さ4メートル、幅1・4メートルで、時速20キロ以下で公道を走る。新型コロナウイルス対策で7人乗りを定員4人で運行。米子市皆生温泉1~4丁目の住民を対象に前日正午までの予約制で、周辺の山陰労災病院(米子市皆生新田1丁目)やスーパー、医院など任意の場所へ送迎する。温泉街でイベントがある12、13両日は乗り降り自由の流し運行をして運転手が観光案内する。いずれも運賃無料。
皆生タクシー(同市旗ケ崎)が需要や運賃設定を探るため、官民でつくる皆生温泉エリア経営実行委員会(会長・伊坂明皆生グランドホテル社長)の補助を受けて実施。杉本真吾社長は、1人当たり料金をタクシー初乗運賃640円の半額程度に設定できれば事業化する考えで、夏までに判断する。
試験運行を前にした試乗で1日、軽費老人ホーム福原荘(米子市皆生温泉4丁目)から、スーパー・まるごう皆生店(同市皆生温泉2丁目)まで片道1・6キロを往復した野村芙貴子さん(81)は「乗り心地はいい。天気が悪い日はタクシーで外出していたので、安ければ助かる」と話した。
電動カートは走行時に二酸化炭素を排出せず、小回りが利く「グリーンスローモビリティ」として全国で事業化されつつあり、坂道が多い松江市の比津が丘周辺や淞北台では社会福祉法人が運行している。
(田淵浩平)













