松江市竪町の古民家を再生する地域交流の複合施設「つむぎや」の4月下旬オープンに向け、準備が大詰めを迎えた。2月下旬には体験イベント形式で市民の参加を募って改修を進め、飲食店やお試し出店できるポップアップスペース、各種講座を開く交流スペースなどを備えた施設に期待を膨らませた。(報道部・森みずき)
 

2月下旬の改修体験イベントで、ふすまの貼り替えを体験する参加者=松江市竪町、つむぎや



 もともと呉服店だった木造2階建て(延べ床面積321平方メートル)で、竪町商店会が商店街活性化の起爆剤にしようと1月、改修に着手した。改修事業費は約1千万円と見込み、国や市の補助金を活用する。

改修前の古民家

 多くの市民に関心を寄せてもらおうと開いた改修体験イベントには市民約50人が参加。ふすまの張り替えや塗り替えに励んだ。

ふすまの貼り替えを体験する参加者=松江市竪町、つむぎや
ふすまの貼り替えを講師から学ぶ参加者(右)=松江市竪町、つむぎや

 

 建物内の改装はおおむね終わり、出店予定のテナントの調理設備などの改修を残す。機運盛り上げに向け再度、市民参加の改修イベント開催も検討している。

 講座開催、出店の引き合いもあり、石けん作りのワークショップ開催を計画する松江市在住の清山久美子さん(33)は「ここに来ればご飯も買える。子育て世代には助かる」と歓迎。隣の横浜町に住むバランスボールインストラクターの石橋藍さん(36)は「車を持っていないお年寄りも気兼ねなく立ち寄れるいい場所」と話す。

 商店会の担当者、塩冶栄さん(36)は「関心を持ってくる人が多くうれしい。施設をきっかけにして、多様な人が集まる場を作りたい」と意気込む。

 施設の備品や配信スタジオの機材、イベント開催の費用とする100万円はインターネット上で資金を募るクラウドファンディングも行っている。「キャンプファイヤー つむぎや」で検索すると見つかる。アドレスはこちらから。