「極彩色壁画」や「飛鳥美人」として知られる奈良県明日香村の高松塚古墳壁画(国宝、7世紀末~8世紀初頭)は3月21日、1972年の発見から50年を迎える。教科書にも登場する壁画のカラー写真は、日本考古学を代表する存在となったが、狭い石室内での撮影は困難を極めた。

 撮影したのは京都市の老舗美術印刷出版工房の「便利堂」。法隆寺の金堂壁画撮影も手掛けた会社で、高松塚壁画の撮影工程を...