教職員にポルトガル語の説明をする平田アナさん(右)=松江市宍道町宍道、宍道高校
教職員にポルトガル語の説明をする平田アナさん(右)=松江市宍道町宍道、宍道高校

 定時制・通信制の宍道高校(松江市宍道町宍道)が今春、日本語や日本文化の科目を設け、外国出身の生徒受け入れ態勢を整えた。12日には、教職員約70人を対象に異文化理解の研修があり、ブラジル出身で同校定時制2年次生の平田アナさん(16)が来日後の体験を語り、基礎的なポルトガル語を手ほどきした。

 県内では、外国人労働者の増加に伴い、日本語の指導が必要な子どもたちが増えている。このため県教育委員会が同校定時制普通科に日本語や日本文化を学ぶ科目を設けた。

 研修で平田さんはポルトガル語でのあいさつなど基本的な言葉を解説した後、自身が中学1年の時に来日してからの体験を語った。1年以上かけて日本語をある程度習得したが「授業中に自分の考えを日本語で伝えるのが難しかった」と振り返った。そんな中でも「先生が優しく教えてくれたり、友達と遊んだりと楽しく過ごせた」と話した。

 このほか、しまね国際センター職員の指導で、異文化コミュニケーションをカードゲームで体験した。

 研修を終えて同校の村松洋子校長は「楽しく学ぶことができた。外国から来た生徒だけでなく、われわれも新たな気づきや学びによって視野が広がる環境をつくりたい」と話した。(黒沢悠太)