世界を根底から揺さぶるロシアのウクライナ侵攻。北方領土交渉を抱える日ロ関係、侵攻前に蜜月をみせた中ロ両国、そして日本とアジアの安全保障の行方は。外交安保政策に通じる与野党の国会議員に聞いた。
元首相補佐官 阿達 雅志氏 中ロ接近に共通戦略を
問題の根源は、ソ連解体後の旧ソ連諸国や東欧などの「衛星国」の位置づけを巡る北大西洋条約機構(NATO)とロシアのせめぎ合いにある。その帰結として今回のウクライナ侵攻がある。
ソ連共産党書記長として1968年の「プラハの春」に軍事介入したブレジネフ氏は衛星国の内政に関与する「制限主権論」の立場を取った。それが80年代にゴルバチョフ氏が登場すると、衛星国により自由を与える「完全主権論」となる。
それでも東欧の重要性は変わらず、ましてやバル...