<短歌>

 ◇桃山短歌会(江津市)

藪つばき窓ごしに見ゆ宿の庭湯舟にひたりほっこりとして 岡本 茂子

如月の主なき庭に鮮やかな枝垂れ紅梅匂ひほのかに 品川ミヨ子

日だまりのにほひの満つる心地よき夜具に包まれ至福の朝寝 能美 悦子

南天の枝は伸び来て窓近く紅き実揺れて粉雪の舞ふ 服部ミツヱ

早春の光あつめて金柑の艶めく色よほのあたたかし 堀  理子

校庭を一回りして見る峡の山は鈍色はや二月尽 松原 章子

今日は雨憂國溢る将校を史書で學びし「二・二六」の朝(あした) ...