食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の義務化が6月に迫る中、島根県旅館ホテル生活衛生同業組合(加盟185施設)が13日、松江市内で制度を学ぶセミナーを開いた。基準に沿った衛生管理が実施できていない施設はまだ多く、参加者が導入に向けて知識を深めた。

 食品衛生法の改正により、6月から食品を取り扱う全ての事業者はHACCPに沿った衛生管理が義務付けられる。業種ごとの手引書に基づき衛生管理計画を作成し、日々の管理記録を取ることが必要となる。

 セミナーを担当した組合青年部の田辺大輔・さぎの湯荘社長は「コロナの対応に追われ、HACCPの導入準備が進んでいない状況がある」と指摘。「衛生管理はコロナ対策と共通しており、取り組みを進めてほしい」と呼び掛けた。

 セミナーは加盟施設の経営者や調理スタッフ約50人が参加し、講師の食品衛生コンサルタントが冷蔵庫内の温度管理や調理工程の重要管理ポイントについて解説した。

 計画書の作成に取り掛かっているツインリーブスホテル出雲(出雲市駅北町)の調理師、山根勉さん(32)は「基礎を学べた。従業員みんなで共通の意識を持って取り組みたい」と話した。(藤本ちあき)