上映中の映画「この世界の片隅に」のチケット収入の全額をウクライナ人道支援に寄付している和田浩章館長=益田市あけぼの東町、Shimane Cinema Onozawa
上映中の映画「この世界の片隅に」のチケット収入の全額をウクライナ人道支援に寄付している和田浩章館長=益田市あけぼの東町、Shimane Cinema Onozawa

 益田市あけぼの東町の映画館「Shimane Cinema Onozawa(シマネ シネマ オノザワ)」が、上映中の戦争をテーマにしたアニメ映画「この世界の片隅に」のチケット売り上げの全額を、ユニセフなどを通してウクライナへの人道支援に寄付している。和田浩章館長(32)は「ロシアから侵攻を受け、物資不足が伝えられるウクライナに、少しでも手助けがしたい」と話している。

 映画は第2次世界大戦下の広島県呉市を舞台に、空襲で大切なものを失いながらも、前向きに生きようとするヒロインと、取り巻く人々の日常を描く。第40回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞に輝くなど高い評価を受ける。

 同館では一般1800円など入館料の全額を、日本ユニセフ協会、日本赤十字社に寄付。入館料以外に「ウクライナのために役立ててほしい」と浄財を寄せた人がおり、上映開始日の30日から2日間の寄付金額は2万900円に上った。

 和田さんは「映画館は想像力を与える場所。ウクライナが一刻も早く平穏な日常を取り戻せるよう願いを込めて上映している」と思いを語る。4月10日まで午後0時20分から上映。月、火曜日は休み。
      (中山竜一)