2011年3月の東京電力福島第1原発事故から11年が経過した。この間、原発がほとんど動いていないにもかかわらず、日本経済の回復基調は続き、構造的な電力不足は生じなかった。本当に原発は必要不可欠な電源と言い切れるのだろうか。

 電力の需要と供給のバランスが論点の一つになる。

 全国の電力供給を調整する電力広域的運営推進機関(東京都)が各事業者の届け出を基にとりまとめた22年3月の資料によると、今後10年間の中国地方...