龍虎図を紹介する安里純子学芸員=出雲市天神町、今岡美術館
龍虎図を紹介する安里純子学芸員=出雲市天神町、今岡美術館

 【出雲】江戸時代から昭和までの掛け軸や茶道具などの調度品を並べた企画展「美の棲(す)むところ」が、出雲市天神町の今岡美術館で開かれている。趣のある45点が、古き良き日本の風習を彩る美しさを伝える。5月7日まで。月曜日は休館。

 祝いなどの「ハレの日」に、床の間に飾り、潤いを演出した道具を集めた。江戸時代後期の画家・狩野晴川院(せいせんいん)の「龍(りゅう)虎図」は、愛きょうのある表情が特徴。悟りに至る段階を10枚の図と詩で表した「十牛図」は、明治から昭和の日本画家・望月玉成らの画と共に、解釈文が添えられており、来場者が見入った。

 地元出身の蒔絵(まきえ)師・勝軍木庵(ぬるであん)光英が手がけた硯(すずり)箱もある。安里純子学芸員は「伝統的な作品を通して、近世の日本人の美意識に思いをはせ、懐かしく感じてもらいたい」と話した。

 開館時間は午前10時~午後5時、入館料は一般600円、65歳以上500円、高校生以下無料。

     (月森かな子)