団体の解散を報告する共同代表の河合康明氏(左)=米子市角盤町2丁目、市公会堂
団体の解散を報告する共同代表の河合康明氏(左)=米子市角盤町2丁目、市公会堂

 中国電力島根原発2号機の再稼働の是非を問う住民投票条例の制定を直接請求した米子市の市民団体が19日、市内で記者会見を開き、団体を解散したと発表した。併せて26人の全市議を対象にした条例案審議に関する公開質問の回答結果を公表。採決で条例案に反対した15人はいずれも無回答だった。

 市民団体「島根原発稼働の是非を問う住民投票を実現する会・米子」は昨年6月に発足。市民1万3364人分の署名を集めて伊木隆司市長に住民投票の実施を求めた。だが、2月に条例案が市議会で否決され、実現はできなかった。

 会見には共同代表3人が出席。河合康明氏は、市長が「再稼働は国が判断すべきもので市は賛否の意思は表明しない」と住民投票に反対しながら、最終的に再稼働に同意表明したことを問題視し「自ら言ったことが虚偽だと証明した。民主主義は危機的状況にある」と訴えた。松本薫氏と安田寿朗氏も、市議会が民意の反映や市民への説明責任を放棄していると批判した。

 公開質問は各議員の意見や姿勢を「見える化」しようと実施。賛否に至った理由や市長発言に対する認識などを尋ねたが、回答を寄せたのは条例案に賛成した10人と議長のみだった。回答一覧は今後、団体のホームページに掲載する。

 (井上誉文)