SNS(交流サイト)で外国軍人や医師を装い、相手に信頼感や恋愛感情を抱かせて現金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」を、鳥取県西部の郵便局員2人が窓口で阻止した。詐欺を未然に防いだ当時の様子を語り、日頃の声かけの継続を誓った。
2人は日南郵便局(鳥取県日南町霞)の西村実梨さん(20)と、江尾郵便局(同県江府町江尾)の非常勤局員吉田優子さん(47)。
今年3月16日午後2時ごろ、江尾郵便局に勤務していた西村さんが窓口を訪れた40代女性から「ツイッターで知り合った外国人にどうやって50万円を送ればいいか教えてほしい」と申し出を受けた。女性から示されたスマートフォンのメッセージ欄に表示される米ドルの通貨記号($)を不審に思った西村さんは、隣の窓口の吉田さんに相談。過去に特殊詐欺を未然に防いだ経験がある吉田さんは「送らない方がいい」と判断し、説得して振り込みを断念させた。
黒坂署によると、外国人を名乗る人物がやりとりを重ねて女性を信頼させ、戦地で活動後の退職金100万ドルを女性に届ける際、税金約50万円が必要だと伝えてきたという。
19日に黒坂署(同県日野町下菅)で、感謝状と記念品を受け取った西村さんは「窓口で困っている人を見かけたらしっかり話を聞きたい」と力を込め、吉田さんは「お客さんの大切な財産を守れて良かった」と喜んだ。 (柴田広大)