国内最大のクルーズ船「飛鳥2」(5万142トン、乗客定員872人)が16日、境港市竹内団地の境夢みなとターミナルへ寄港した。新型コロナウイルスの影響で、山陰両県へのクルーズ船寄港は約1年半ぶり、同ターミナルへの寄港は2020年4月の供用開始以来初めてとなった。関係者は寄港復活を喜び、乗客約180人は夕方の出港まで山陰観光を楽しんだ。
飛鳥2は14日に神戸を出発し17日に金沢へ到着する日程で、この日午前8時半に境港へ入港。岸壁では安来節や銭太鼓を披露し出迎え、鬼太郎やねこ娘の着ぐるみも手を振った。
伊達憲太郎市長は「水木しげるロードや大山、松江城など山陰の魅力を堪能し再訪してください」と船上の乗客にあいさつした。下船した乗客は観光バスに乗り、足立美術館や由志園、堀川めぐりに向かった。
ターミナル2階の展望デッキからは住民らがクルーズ船の威容を眺めた。松江市和多見町の無職古浦政彦さん(75)は「久しぶりにクルーズ船が見られてうれしい。海の旅は最高。自分もまた飛鳥2に乗りたい」と笑顔を見せた。
境港へのクルーズ船寄港は、コロナ禍で20年に予定した42回が全て中止になった。一方、国土交通省は感染症対策の策定と届け出を義務付け、国内事業者による運航は20年秋から段階的に再開した。境港管理組合は同10月に感染防止策を盛り込んだ受け入れマニュアルを策定した。
境港への21年のクルーズ船寄港は計4回の予定。全て飛鳥2で5月に1回、7月にも2回寄港する。(園慎太郎)