病棟の窓から東京タワーの赤い鉄骨が間近に見えた。2017年5月、東京・三田にある東京都済生会中央病院の会議室。当時、看護部長だった樋口幸子(62)は新人数十人に、看護師が注射する意味を説明しながら途方に暮れていた。真剣に聞いているのは3分の1。残りは寝ているか、東京タワーを眺めていた。
戦後、看護師のミスで患者が死亡し、公式には医師しか血管に注射できない時代が続く。だが、現場の必要性から行...
病棟の窓から東京タワーの赤い鉄骨が間近に見えた。2017年5月、東京・三田にある東京都済生会中央病院の会議室。当時、看護部長だった樋口幸子(62)は新人数十人に、看護師が注射する意味を説明しながら途方に暮れていた。真剣に聞いているのは3分の1。残りは寝ているか、東京タワーを眺めていた。
戦後、看護師のミスで患者が死亡し、公式には医師しか血管に注射できない時代が続く。だが、現場の必要性から行...
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