新型コロナウイルス感染後も強い倦怠感や体の痛みなどが続く「後遺症」。多くの患者を診察してきたヒラハタクリニック(東京)の平畑光一医師に、その深刻さと、どのような対応が必要なのか聞いた。
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2020年3月ごろから、オンライン診療も含めて3800人以上診てきた。患者が訴えるだるさは、倦怠感という言葉でひとくくりにできないほどひどい。歩けなくなり、トイレに行くのがやっとという人が大勢いる。それまで元気だった人が突然動けなくなり、いつ治るかが分からない。想像を絶する苦痛だ。
海外の統計などで、感染者の約10%が後遺症になると言われており、国立国際医療研究センターの調査で、感染した患者の26%が、半年後も後遺症があったとのデータもある。国内感染者の累計は750万人超だから、単純に75万人が後遺症を経験した計算になる。感染者と認定されなかった人も含めると、100万人近い後遺症患者がいる可能性もある。
コロナ陽性となっていなくても、後遺症の症状を訴えるケースは多い。検査体制が不十分で、20年9月ごろまでに診ていた患者のほとんどがそうだった。抗原検査では実際に感染していても陽性にならない「偽陰性」の可能性もある。症状から後遺症が疑われるのであれば、それを念頭に置いた治療がされるべきだ。
感染力の強いオミクロン株の影響で、...












