第一章 発端の夏(三十八) 「ここは海も近いし、俺も広い家にひとりでいたんじゃつまらないし」  朱鷺子は御(ご)託(たく)を聞くつもりはないとでもいうように玄羽の言葉を遮(さえぎ)った。...