商品を紹介する小竹満紀子さん=米子市四日市町、plus one(プラスワン)
商品を紹介する小竹満紀子さん=米子市四日市町、plus one(プラスワン)

 「心身にやさしい」山陰両県のお店を紹介する「はるかほのやさしいお店巡り」。今回は米子市四日市町にある衣類、雑貨販売「plus one(プラスワン)」を紹介する。(Sデジ編集部・宍道香穂)

 

 店主の小竹満紀子さん(47)がリネンやコットンといった自然素材100%使用の衣類やフェアトレードの食品、ナチュラルな風合いの生活雑貨を並べている。

サステナブル(持続可能)な素材を使った日用品や雑貨が並ぶコーナー

 店舗奥側には優しい手触りのシャツやズボン、ワンピースが並んでいる。化学繊維は一切使用せず、コットンやリネンを中心に、自然由来の素材のみを使用した衣類を仕入れ、販売しているという。柔らかい着心地の衣類は着ていると心地よく、リラックスできそう。優しい色合いとともにさらっとした手触りも特徴で、一年を通して楽しめそう。

衣類は全て、自然由来の素材を使用したもの。肌触りの良さやナチュラルな風合いが魅力だ。

 プラスワンでは衣類のほか自然素材を使用した雑貨類も販売している。人気があるのは耐熱保存容器やスポンジといった日用品。これからの時期にぴったりの涼しげな風合いのかごバッグもお薦めという。

 保存容器は四角型と円形の2種類があり、それぞれ320~1200ml、420~1300mlの4サイズを用意している。容器のふたは竹でできている。竹はサステナブル(持続可能)な素材として注目されている。自然に優しい素材でできているほか、すっきりとしたシンプルなデザインや優しい色合いも人気の理由という。容器部分は耐熱性ガラスで、オーブンで加熱することもできる。デザイン性、機能性ともに高く、長く使い続けられそう。

人気商品の耐熱性保存容器。ふたが竹でできている。

 ヘチマのスポンジは食器洗いにお薦め。一般的な食器洗い用スポンジと同じくらいの大きさで形状は四角。3個セットで1200円。ヘチマの繊維と植物由来のセルロースの2層でできていて、薄い茶色と白色のナチュラルな色合いがかわいらしい。

 ヘチマのスポンジを購入して、食器洗いに使ってみた。使用前のスポンジは厚さ2センチほどで、少し固い質感。開封後は水に浸してから使うとのこと。本当にこれで皿を洗えるのだろうか、と思ったが、水を含ませると倍ほどの厚さに膨らみ、柔らかくなった。ほどよい柔らかさで、小さなコップから大きな鍋類まで洗いやすい。傷つきやすい食器はなめらかなセルロースの面で、焦げ付きが気になる鍋やフライパンはヘチマの繊維の面で洗うときれいになる。

ヘチマとセルロースを使用した食器用スポンジ

 ヘチマのスポンジを使い始めて数週間が経過したが、ほつれたり破れたりすることはなく、きれいな形状が保たれていてびっくりした。自然に負荷が少ない素材でできている上、長く使い続けられてごみが減り、なんだか気分がいい。また、優しい色合いが目に優しく、皿洗いをする度に心がほっと安らぐ。食器を洗うのは面倒で、皿や調理器具をついシンクにため込んでしまうことが多いが、お気に入りのスポンジがあれば食器洗いが少し楽しみになってきた。

▷女性の背中押したい
 小竹さんは大阪府出身。21歳の時、結婚を機に米子市へ移住し、事務員や飲食店員、公務員として働いていた。町役場に勤務していた時は男女共同参画推進に関する業務を担当し「社会で活躍する女性をもっと増やしたい」との思いが強くなったという。

店主の小竹満紀子さん

 小竹さんは「もっと前に出て活躍できる女性が多くいる。彼女たちを輝かせたいと、漫然と思っていた」と話した。小竹さんは世の女性の背中を押すため「女性が集まる場」を作ろうと思い立った。

 小竹さんはもともとリネンやコットンといった素材が好きで、服や巾着袋、ストールなどを自作していたと言う。「服屋なら女性が集まる場になるのでは」と考え、2015年5月、自然素材に特化した衣類の店を開いた。やがて「衣類だけ販売していては店に入ってもらいにくいのでは」と、日用品などの雑貨の販売も始めた。

米子市四日市町、プラスワン

 店を開くのは初めてで、ファッションに関する専門知識もなく、オープン当初は落ち込むことが多かったという。仕事上のやりとりをする中で「こんなことも分からないのか」という反応をされることもあったと言い「人と会いたくないと思う日もあった」と当時を振り返る。

 それでも、店づくりやお客へのアプローチの方法を試行錯誤しながら地道に経験を積み、5月にオープン7周年を迎えた。お客さんからは「化学繊維の服と比べ、静電気が起きにくい」「肌が荒れなくなった」「ここに来れば(自然素材100%使用の服ばかり置いてあるため)安心できる」と喜びの声が届き、励みになっているという。

 最近は韓国に住む人がインスタグラムを通して商品を購入してくれたり、台湾から店を訪れてくれる人が現れたりと、海外への販路も見えてきた。「もともと世界を飛び回って仕事がしたいとの思いがあった」と小竹さん。「海外に拠点を置く夢も描いている」と、次のステップを見据える。りんとしたたたずまいの小竹さんからは、好きなことを追求し続ける強さだけでなく、時代に合わせながら人生を楽しむ柔軟性も感じた。