2020年6月30日に掲載された「Think local.」
2020年6月30日に掲載された「Think local.」
最優秀賞を受賞した島根県の帰省自粛啓発メッセージ(2020年4月29日付)
最優秀賞を受賞した島根県の帰省自粛啓発メッセージ(2020年4月29日付)
2020年6月30日に掲載された「Think local.」
最優秀賞を受賞した島根県の帰省自粛啓発メッセージ(2020年4月29日付)

 公益社団法人全日本広告連盟(全広連)の「第15回鈴木三郎助地域クリエイティブ大賞」と「同地域キャンペーン大賞」で、本紙掲載の広告がそれぞれ最優秀賞と選考委員会特別賞に選ばれた。コロナ禍や人口減少など厳しい環境の中、島根に生きる人の温かさを表現した作品。企画した県内関係者が喜びを語った。

 「帰省自粛啓発メッセージ」は新型コロナウイルスが猛威を振るい始めた1年前の大型連休を前に、島根県や山陰中央新報社などが企画。出雲弁と石見弁を用い、会いたい気持ちを伝えながら、移動をとどまってもらうことを願い、制作した。

 県政策企画局の野津建二局長は「島根で培った人と人とのつながりは距離に負けないことを、温かい表現で伝えたいと考えた」と意図を明かした。

 制作に携わった「Birdman(バードマン)島根支社」の石原雅人支社長は「全国に波及する広告を作ることができ、感謝している」と話した。

 また、2人の若者が島根で暮らす意味を、関わった人々との対話を通じて見つけ出す「Think local.(シンク・ローカル)」は、4回にわたり掲載。地域課題に向き合う狙いや、表現が評価された。

 山陰中央新報社と共に手掛けた「あしたの為のDesign(デザイン)」の布野カツヒデ社長は「紙面では風景を大きく、人物を小さく撮影した写真を使い、島根の環境が目に飛び込んでくるように作った」と説明。「田舎でも全国で認められる仕事ができることが分かり、うれしい」と感慨深い。

 主人公の2人は「しまね留学」で地域外からの入学生を積極的に受け入れる県立島根中央高校(島根県川本町川本)の出身。企画に協賛した川本町の野坂一弥町長は「若者の目線で、町や島根中央高校の魅力を伝えてもらった」と話し「2人のような物語を在校生が紡いでくれることを願う」と期待した。

(佐貫公哉、佐伯学、原田准吏)