石見銀山の魅力や観光の在り方について意見を述べるパネリスト=大田市大田町、市民会館
石見銀山の魅力や観光の在り方について意見を述べるパネリスト=大田市大田町、市民会館

 大田市の「石見銀山遺跡とその文化的景観」の世界遺産登録15年の記念イベントが3日、市内であった。江戸時代の石見銀山の代官・井戸平左衛門を主人公にした歴史小説「いも殿さま」の著者・土橋章宏さんの講演や、パネルディスカッションを通して、市民ら250人が長く遺産を守り、生かす方策を考えた。

 市が市民会館(大田市大田町)で開いたイベントで、土橋さんは坂本龍馬や松尾芭蕉の銅像より圧倒的多い井戸平左衛門の顕彰碑の数が、地域でいかに親しまれていたかを示すと紹介。「いも殿さま」の映像化に努力しているとした。

 パネリスト4人は中核地域・大森町の魅力やその周辺で暮らす人の思い、今後の観光の在り方について考えを述べた。楫野弘和市長は大森の家々に花が飾られている風景を挙げ、「住民が大森を愛し、誇りを持って暮らしているのが最大の魅力」と語った。

 観光客が2008年は年間81万人超が訪れたが、21年は16万5千人に。新型コロナウイルス禍の影響もあり転換期を迎える観光の在り方について、NPO法人石見銀山協働会議の中村唯史理事長は「見る、買うではなく、人との出会いや何かを感じてもらう観光ができる」とし、情報発信の重要性を指摘した。

 石見銀山みらいコンソーシアムの松場大吉理事長も観光形態について「数や量ではなく、質に変化している」とし、NPO法人石見銀山資料館の仲野義文理事長は「教育的な観光をいかに目指していくかが今後のテーマだ」と力を込めた。