ワールドカップで競技に挑む岡田卓也さん(IFSC提供、Jan virt、Dimitris Tosidis撮影)
ワールドカップで競技に挑む岡田卓也さん(IFSC提供、Jan virt、Dimitris Tosidis撮影)

 オーストリアで6月にあったパラクライミングワールドカップ(W杯)で、出雲市斐川町出身の岡田卓也さん(31)=大阪市中央区=が、神経障害の重度クラスで銅メダルを獲得した。2度目となる国際大会で初の表彰台に立ち、来年スイスである世界選手権での金メダルに手応えをつかんだ。 (松本直也)

 7人が出場し、約15メートルの壁に設置された課題(コース)を6分間でどこまで登れるかを競った。

 予選を突破した4人による決勝のコースは、ホールド(突起物)は持ちやすいものの壁に傾斜があり、体力を消耗しやすい設定。会場の雰囲気に乗じた序盤のハイペースを修正し、途中で落下したものの落ち着いた展開で、堂々の3位入賞を果たした。

 昨年9月にロシアであった世界選手権は中度クラスで最下位の9位だったが、その際に重度クラスに該当することが分かった。

 世界の重度クラスで自身の実力を試す場だった今回の結果に「思ったほど上位との差はない。銀以上は狙えた」と分析した上で、「途中で帯同スタッフの声援が耳に入り、落ち着くことができたのは、世界選手権に出た経験が生きた。体力もついた」と成長を実感する。

 課題は、どのホールドをつかみ、どこに体重をかけるのかを、登りながら判断する早さだ。処理能力を上げる必要性を痛感しており、早い判断で、体力の消耗を減らす作戦を練る。

 今年1月に医薬品開発関連の企業に転職。競技を業務とするアスリート雇用となり、より練習に打ち込めるようになった。「体力、筋力の向上を重点に置いて練習したい」と、世界の頂点へ力を込める。