森鴎外ら津和野人会の記念写真とみられる写真を紹介するスタッフ=島根県津和野町町田、森鴎外記念館
森鴎外ら津和野人会の記念写真とみられる写真を紹介するスタッフ=島根県津和野町町田、森鴎外記念館

 写真展「鴎外の帰りたかった故郷・津和野」が、津和野町町田の森鴎外記念館で開かれている。没後100年の鴎外が旧津和野藩ゆかりの人々と納まった記念写真や、死に顔をかたどったデスマスクを展示する。来年4月9日まで。 (藤本ちあき)

 記念写真は「津和野人会」での撮影とみられ、初公開。鴎外と、旧津和野藩で代々藩主を務めた亀井家14代当主・亀井茲常(これつね)、日本で初めてイチゴの品種改良に成功した福羽逸人ら藩の要人がそろう。

 記念館の年代推定によると、鴎外の日記にも記される、亀井と福羽の洋行を前に留別の宴があった1910年2月23日の撮影という。広石修学芸専門員は「亀井を中心とした旧津和野藩の結束が分かる。鴎外と津和野を結びつける貴重な写真だ」と話す。

 写真展は津和野駅の開業100年を記念して企画。鴎外は鉄道開通後には帰省するとの約束を当時の町長と交わしていたというが、開通1カ月前の22年7月9日に亡くなった。会場には、鴎外が見ることができなかった開業後の駅舎や祝賀行事のにぎわいを伝える写真が並ぶ。

 鴎外のデスマスクはブロンズ製で、久しぶりの展示という。

 月曜休館(祝日の場合は翌日休館)で一般600円、中高生400円、小学生250円。期間中に展示替えがある。