「無の境地」は、欲求や煩悩にとらわれなくなり、迷いや悩みがなくなった状態などとされる。なかなかそんな心持ちにはなれない。似た言葉で一般的に使われる「無我の境地」とは異なるようだ。
無我の境地は、今風に言えば「ゾーンに入る」だろう。極限の集中力で最高のパフォーマンスをしている状態。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が、そんな姿をたびたび見せてくれる。プレーオフで「1番・投手兼指名打者」として出場し、3本塁打を放ち、勝利投手になるなど、異次元の成績だ。
米プロバスケットボール・NBAの名将フィル・ジャクソンは「心が無の状態であれば、何が起こっても対応できる。未熟者の心の中には多くの雑念がある」と言ったそうだ。競技に臨む気持ちや準備の大切さが伝わる。
Bリーグの試合でもシュートを次々に沈め、チームを勝利に導く選手が現れる。先日も島根スサノオマジックが、レバンガ北海道の富永啓生選手に7本の3点シュートを決められて敗れた。シュートを打てば入る状態。島根の対戦相手にはゾーンに入ることは御免被りたい。
「極限の集中力」はスポーツに限ったことではなく、仕事や勉強でもあるだろう。当方も小欄に向き合う時、「無」の状態が続く。ただし、集中力が高まっているという意味ではなく、書くテーマの話。未熟者ゆえの悩みだ。まだまだゾーンは体験できそうにない。(彦)













