広島県庁で記者会見する湯崎英彦知事∥?月?日
広島県庁で記者会見する湯崎英彦知事∥?月?日

 下世話な例えをするなら、昔付き合っていた女性(元カノ)が自分の隣に住む親友と付き合い始めた、といった感じか。しかも別れたくて別れたわけではないから、気持ちはちょっと複雑だ。

 今月28日の任期満了で退任する広島県の湯崎英彦知事が先日、韓国を訪ね、慶尚北道(キョンサンブクト)との間で友好都市提携を締結した。これまで相互間の職員訪問や青少年交流などを進めており「(締結の)機が熟した」という。

 とはいえ慶尚北道と先に姉妹都市提携を結んでいたのは島根県。2005年の「竹島の日」条例制定を機に、慶尚北道から一方的に提携を解消された経緯がある。

 慶尚北道は韓国側で竹島(島根県隠岐の島町、韓国名・独島(トクト))を管轄する立場だけに、事は複雑だ。先月の定例会見で領土問題との整合性を問われた湯崎知事は「竹島問題があるから慶尚北道と付き合うのはおかしいというのは、あまりにも狭量な考え方だと思う」と答えていた。確かに領土問題は国の専権事項で自治体がそれに縛られる必要はない。

 「湯崎知事に先を越された感じ」-。広島の締結を受け、竹島研究の第一人者である下條正男拓殖大名誉教授からそんなメールが届いた。本紙コラム『一刀領談』で、島根県と慶尚北道との姉妹提携再開を呼びかけていたからだ。解消された島根県から働きかけることはなく「待ちの姿勢」(丸山達也知事)というが“復縁”の門戸は開いておきたい。(健)