第38回田部美術館大賞「茶の湯の造形展」(田部美術館、山陰中央テレビジョン放送主催、山陰中央新報社協賛)が24日、松江市北堀町の同館で始まった。茶の湯の伝統に根ざしながらも、個性ある工芸品の数々が会場に並ぶ。7月18日まで。
作家183人から寄せられた285点のうち、準大賞、秀美賞、入選の計79点を展示している。
今回、大賞該当はなかったが、準大賞に輝いた鈴木篤夫さん(77)=岡山県和気町=の「水指」は、余分な飾りのない素朴さと力強さを兼ね備えたバランスがさりげない存在感を見せる。
また、同賞の平岡朋美さん(49)=高松市=の「氷裂(ひょうれつ)窯変〓(ようへんわん)―春待ち―」は、自然な流れを持つ形に釉薬(ゆうやく)のみずみずしさが調和している。
造形展への応募は、昨年より約30点多く、同館の山本順三学芸部長は、茶の湯に気持ちを向ける作家が増えた実感があると説明。「(今回も)バラエティー豊富な作品が集まった」と話す。
午前9時~午後5時。会期中無休。入館料は大人700円、大高生500円、中学生以下無料。(多賀芳文)