島根県奥出雲町と鳥取県日南町にまたがる国定公園の船通山(標高1143メートル)で、カタクリの群落が見頃を迎え、山頂付近に広がる紅紫色の「花のじゅうたん」が登山者を魅了している。
カタクリはユリ科の多年草で、直径3~5センチの反り返った花を咲かせる。船通山の群生地は1ヘクタール以上にも及び、毎年多くの登山者でにぎわう。今年は例年より10日ほど早く咲き始め、20日にほぼ満開になった。関係者によると、見頃は5月1日まで続くという。
25日は、島根県や奥出雲町の職員など約20人が植物を違法採取から守るパトロールを実施。登山者にチラシを配布し、協力を呼び掛けた。
松江市西津田3丁目から訪れた看護師、稲田基子さん(64)は「今年ほど見事に咲いているのは初めて見た」と喜んだ。(清山遼太)