復刻新版の裏話を語る山陰中央新報社キャリアマネジャーの須田泰弘さん=松江市田和山町、今井書店グループセンター店
復刻新版の裏話を語る山陰中央新報社キャリアマネジャーの須田泰弘さん=松江市田和山町、今井書店グループセンター店

 米子市出身の作詞家・故岡本おさみ著「旅に唄あり 復刻新版」の発刊を記念したトークイベントが7日、松江市田和山町の今井書店グループセンター店であった。同書の編集者である山陰中央新報社出版部の須田泰弘キャリアマネジャーが、本ができるまでの苦労や岡本さんの素の一面を語った。

 岡本さんは、吉田拓郎さんの「襟裳岬」や南こうせつさんの「愛するひとへ」など数々の名曲を世に出した作詞家。

 須田マネジャーは、復刻版に岡本さんが俳優・故高倉健さんに詞を贈ったエピソードを載せるため、事務所と何度もやりとりするなど、著作権や肖像権の対応に奔走した裏話を紹介。

 仕事で顔を合わせた岡本さんの人柄については「物静かな方だった」と述懐。図書館の本を読みあさり、類語辞典も手放さなかったといい、言葉を紡ぐプロの姿勢に敬意を表した。

 松江市古志原5丁目、主婦佐藤雅子さん(80)は「岡本さんと同年代だからか本に書かれている街の情景などを懐かしく読めた。イベントでさらに詳しく知れた」と満足そうに話した。

 イベントは21日までの今井書店グループセンター店開催の「全国地方新聞社ふるさとブックフェア」の一環で、フェアを主管する山陰中央新報社が企画した。

 (坂上晴香)