【奥出雲】夏休みを家で一人で過ごす子どもたちに栄養満点な食事をとってもらおうと、島根県奥出雲町の三成、三沢両地区の小中学生を対象に仁多米を使った弁当を配る「子ども食堂」が開かれている。25日までの毎週火、木曜の昼に1日限定20食を無料で配り、喜ばれている。
両地区の有志7人でつくる「さんさん会」が「地域の子どもが夏を元気よく過ごせるように」と企画した。地域住民や町社会福祉協議会から得た支援金20万円を使い、仁多米と地域の野菜を楽しめる弁当を作る。7月下旬に始め、家庭の味を意識した食べやすい味付けで野菜の苦手な子どもにも好評という。
弁当の調理は、三沢地区で「ともに食堂」などを運営するNPO法人「ともに」のメンバーが担い、地域住民も手伝う。奥出雲町三沢の「レンタルスペース&キッチン金〓(吉の士が土)屋」を借り、出来たての弁当を届けられるように時間を調整しながら作る。
メニューは、ともに食堂の調理担当で管理栄養士の落合友紀子さん(36)が考案。ハンバーグ▽桜エビ入りきんぴら▽ピーマンと卵の和風炒め▽春雨サラダ-など(2日のメニュー)と盛りだくさん。栄養を考慮しながら、見ても楽しい弁当となっている。
弁当に入る仁多米は、さんさん会のリーダーでもある和久利健さん(62)=奥出雲町三所=が代表を務める農事組合法人「石原里田」が無償で提供する。
配達も担当するという和久利さんは「弁当を持っていくと子どもたちはとても喜ぶ。おいしい弁当を食べて暑い夏を乗り越えてほしい」と笑顔で話した。
(山本泰平)