約800年の伝統がある牛突き大会の夏場所が15日、島根県隠岐の島町池田の隠岐モーモードームで開かれた。整った体の雄牛が角や頭をぶつかり合わせ、盆休みで集まった観客約300人を沸かせた。
西郷牛突き保存会の主催する夏場所は、年3回ある本場所の初陣。2019年は台風、20、21の両年はコロナ禍で中止となり、4年ぶりの開催となった。
西郷、都万、五箇の各地区で飼育されている黒毛雄牛12頭が出場。直径約20メートルのすり鉢状の場内に東西から牛たちが土俵入りした。
2歳、体重約350キロの若い牛が向かい合う「芝切」から始まり、4歳、約850キロの前頭筆頭までの5番は、勝敗を付けない引き分けの取組とした。それでも牛たちは闘志を見せ、取組が終わり、牛を操る「綱取り」が引き離そうとしても力であらがった。
5歳、900キロ以上という巨体同士の横綱の取組は、勝敗が付くまでの真剣勝負で立ち合い、20分を超える熱戦。名古屋市東区の会社員多田篤人さん(26)は「初めて見たが、こんなに迫力のある戦いが繰り広げられるとは思わなかった」と驚いた。
(鎌田剛)