政治アナリストの伊藤惇夫氏
政治アナリストの伊藤惇夫氏
政治アナリストの伊藤惇夫氏

 山陰中央新報社の島根政経懇話会、米子境港政経クラブの定例会が15、16の両日、松江、米子両市内であった。政治アナリストの伊藤惇夫氏(72)が「日本政治の行方~菅政権の課題」と題して講演し、新型コロナウイルスの感染状況に左右される政局や、秋までに行われる衆院解散、総選挙の時期について解説した。要旨は次の通り。

 今の政局は非常に読みづらい。理由は簡単。全てがコロナ次第だからだ。ワクチンは海外に比べて接種が大幅に遅れ、供給見通しがころころと変わっている。予定通りに進まなければ、政権の足を引っ張る不安材料となる可能性が高い。

 東京五輪について私自身は、今年にやらないといけないのかという思いだ。五輪はアスリート、ボランティア、聖火ランナー、観客、テレビで応援する人が一緒に盛り上げる「お祭り」。無観客開催では適格性を欠く。

 (聖火リレー中止検討など)島根県の丸山達也知事の言動には賛成だ。都市重視の姿勢が正しいのか、とにかく五輪開催すべきとの方針が正しいのかと、考えさせるきっかけになった。

 菅政権は支持率が急落した。菅首相はぶれるのを嫌うが、柔軟な対応が必要なコロナではマイナス。「Go To トラベル」の停止判断の遅れは、その象徴だった。相次ぐスキャンダルも痛手だ。これ以上続くと、菅首相では総選挙を戦えないというムードになる。石破茂氏は、党自体が危機的状況になればポスト菅の可能性が出てくる。

 衆院解散時期は、9月か8月末の五輪直後しか、タイミング的には考えづらい。党総裁任期は9月で、衆院議員の任期は10月。支持率が改善しなければ、菅首相が解散を打てないまま、総裁選になだれ込み、新しい総裁の下で選挙をやるという動きが出ても不思議ではない。 (片山大輔)