部活動(イメージ)
部活動(イメージ)

 若年層の感染リスクを低減しようと、県が打ち出した部活動停止を巡り、要請を受けた市町村で対応が分かれた。感染者数が高止まりする状況から理解を示す声がある一方、生徒や保護者から戸惑いの声も出ている。

 要請を受け浜田、益田、安来、大田、江津5市と、飯南町、奥出雲町、川本、美郷、邑南、津和野町、隠岐の島町、西ノ島町、知夫村、海士10町村が原則停止。吉賀町は各校への自粛要請にとどめ、判断を学校長に委ねた。県は特例として、10月11日までに開催される大会に出場するチーム、個人に限り開催日1カ月前からの活動や練習試合を認めている。

 高校総体を制した横田高校男子ホッケー部は10月からの国体を控え、29日のみ活動を停止し30日から活動を再開する。3年の佐伯昂大主将(17)は県の要請について「このような感染状況だから停止は仕方ないと思う」と話した。

 浜田市は大会出場の特例期間も練習を停止し、県要請より踏み込んだ対応を取る。岡田泰宏教育長は「(試合の有無によって)生徒間の活動に不公平感が生まれてしまう。感染状況、子どもたちの気持ち、学校側の意見を踏まえて決めた」と説明した。

 一方、松江、出雲、雲南3市は、市立学校の部活動で感染拡大を確認していないことなどを理由に練習試合などを除き、通常の部活動は行う。

 松江市内の中学校サッカー部に所属する1年生男子の父の団体職員(51)は「部活だけ止めても感染防止の効果があるのか。子どもたちがかわいそうだ」と疑問視。松江高専バスケ部顧問の電気情報工学科、福間真澄教授は(61)も「感染対策として理解できるが、団体行動で学べることもある。感染しないように気を付け部活動をした方がいい」と話した。

 県によると、26日に丸山達也知事が中止要請を表明して以降、県には苦情や批判が約90件寄せられているという。短文投稿サイト・ツイッターなどで対応を疑問視する書き込みもあった。