1766年2月、21歳になった堀田仁助は甲州(山梨県)釜無川の川岸に立っていた。辺り一面うず高く土砂が積もり、流木や建物の残骸がそこかしこに散在していた。それは前年の春から秋にかけての度重なる氾濫(はんらん)の跡だった。 ...