登り窯に火を入れる生徒=大田市水上町、市立第三中学校
登り窯に火を入れる生徒=大田市水上町、市立第三中学校

 【大田】校内にある登り窯を使い、陶芸作品を作る大田市立第三中学校(大田市水上町)の伝統行事「本焼き合宿」が9日、始まった。生徒は学校に泊まって温度を管理し、物作りの喜びや大変さを体験する。

 地域で盛んな窯業を通して古里への愛着を育もうと、1960年に始まった。石州瓦製造販売の丸惣大田工場の三国和彦品質管理課長(57)の指導を受け、地元の良質な粘土を使って全校生徒8人が6月に器や人形など20個を作った。素焼きをしてうわぐすりを塗った。

 合宿では、地域住民の作品も含め約300個を焼く。9日は午前に火入れ式があり、生徒は作品が壊れないよう少しずつ温度を上げるためにまきをくべるなど交代で管理した。10日朝には1250度に達するという。

 1年の福谷颯介さん(13)は「みんなで協力するのが楽しい。きれいな作品に仕上がってほしい」と話した。

 (曽田元気)