静岡県牧之原市内の認定こども園で送迎バスに置き去りになった園児が死亡した事故を受け、山陰両県が12日、県内保育施設に対しバス運行体制の点検を始めた。鳥取は送迎前後の出欠確認のやり方などを聞き取り、島根は県内施設の調査に乗り出した。国は年内に点検を終えるよう求めており、両県は対応を急ぐ。
鳥取、島根両県によると2021年8月の調査時点で、鳥取は保育施設39カ所で76台の送迎バスが運行し、園児1692人が利用した。島根は14カ所で運行し、台数や利用者数は不明。
鳥取県では12日、県の担当者が認定こども園ひかりこども園(鳥取市湖山町北3丁目)を訪問。運転手と添乗員の複数人で運行しているかや、乗降後の人数把握の方法などを質問した。
久野芳枝園長は、専属の運転手と長年添乗員を務める保育士の2人体制で運行し、利用者名簿やスマートフォンアプリを使って出欠を確認していることを説明した。
県子育て王国課の加賀田健課長補佐は「しっかり管理されているのを確認できた」と述べ、久野園長は「子どもの安全を守るのが一番。バス停車後に車内を点検しないのはあり得ない」と強調した。
島根県は12日、県内の保育施設に対し、バスの有無や運行前後のチェック体制について報告を求める調査票をメールで送った。9月中に結果をとりまとめる。
(岸本久瑠人、清山遼太)