「恵比須」を披露する石見神楽東京社中のメンバーたち=東京都千代田区、インド大使館
「恵比須」を披露する石見神楽東京社中のメンバーたち=東京都千代田区、インド大使館

 日本とインドの国交樹立70周年を記念した石見神楽の上演が19日、東京都千代田区のインド大使館であった。初めて観覧したサンジェイ・クマール・ヴァルマ駐日インド大使は「両国が文化的につながるためのリソース(資源)になる」と評価した。

 公演はインド大使館などが主催。島根県西部出身の石見神楽東京社中12人が、美保神社(松江市美保関町)の祭神によるタイ釣りを描いた「恵比須(えびす)」や、ヤマタノオロチ退治にちなむ「大蛇(おろち)」といった3演目を披露し、来場した約180人を魅了した。

 ヴァルマ大使は取材に対し、日印交流の中で山陰インド協会とインド・ケララ州との連携について「コンセプトをさらに深めていく必要がある」と指摘。石見神楽はインドに類似した芸術形態があるとして、両方を同時に見せることで相互に理解できるとのアイデアを示した。

 その上で今後、両者間で交流促進が期待できる分野に観光と教育、IT産業を挙げた。観光分野については、自然豊かな山陰地方がインド映画の撮影地となる可能性を示した。

  (原田准吏)