5月2日に開催される天皇賞・春(阪神競馬場、芝3200メートル)に競走馬育成・調教施設「大山ヒルズ」(鳥取県伯耆町真野)で調整を行ったディープボンド(牡4歳)が出走する。優先出走権を得た3月の阪神大賞典(G2)では、2位に5馬身差をつける圧勝を収めただけに天皇賞での走りにも注目が集まる。大舞台を前に同施設の斎藤慎取締役ゼネラルマネジャー(47)に同馬の特徴やコンディションを聞いた。 (聞き手は報道部・景山達登)
―ディープボンドは、どのような馬か。
「普段はおとなしく、特に手がかからない。しかし、栗東トレーニングセンター(滋賀県栗東市)に入り、『やる気のスイッチ』が入ると、人間が危ないと感じるくらい自分を出す。また、大山ヒルズで育ち、三冠馬になったコントレイルと同じように、よく眠り、疲れにくい。一流馬はオンとオフがはっきりしていると感じた」
―大山ヒルズでは、どのような調整をしているのか。
「うちでは仕上げることはしない。仕上がりが早い馬なのでリラックスさせて、トレセンですぐにスイッチをオンにさせるのがこの馬には合っている」
―最近の調子をどう見ているか。
「阪神大賞典終了後の3月24日から4月3日まで大山ヒルズで調整を行った。このレースは、馬場が悪かったので疲れが出るかと思ったが、そうした様子は見せず馬体の状態も良かった。最近になって後ろ脚の筋肉がついてきたのが目に見えて分かるようになり、調教の時の調子と競馬の内容が結び付くようになってきた」
―期待することは。
「まずは天皇賞・春を無事に走りきってほしい。勝つことができれば夢が広がる。鞍上(あんじょう)の和田竜二騎手はこの馬のことをよく理解しているので期待している。体力も心肺機能も高いので天皇賞後も長い距離をメインで使いたい」