秋の全国交通安全運動(21~30日)に合わせ、鳥取県警智頭署の男性署員2人が、子どもたちに横断歩道の安全な渡り方を学んでもらう歌を作った。軽快な曲調と歌詞に合った振り付けで、歩行中の注意点を伝える。2人は「他の署でも使ってもらえたらうれしい」と幅広く活用されることを願う。
ともに地域交通課に所属する巡査部長で、作詞は松浦裕二さん(37)、作曲は鎌谷宗和さん(45)が手がけた。
曲名は「えがおでわたろう」。約3分で、小さな子どもでも簡単に歌えるよう軽やな曲調に仕上げた。歌詞を通じて手を上げて渡ることや左右の確認の大切さを伝える。
日本自動車連盟(JAF)が集計した2021年の「信号機のない横断歩道での車の一時停止率」で、鳥取県は全国平均を2・1ポイント下回る28・5%にとどまった。松浦さんはこの結果に加え、智頭署管内でも信号機のない横断歩道で子どもと車両がぶつかる事案が発生したことを憂慮。覚えやすい歌を通して事故を減らせないかと発案した。
これに応じたのが県警音楽隊を兼務する鎌谷さんで音楽経験を生かして作曲し、合成音声で歌も付けた。同課の別同僚も振り付けを買って出た。
初お披露目となった16日は、ちづ保育園(鳥取県智頭町智頭)で園児32人が歌と踊りに挑戦。口ずさみながら右手を挙げて横断歩道を渡ったり左右を確認したりするポーズをして安全な歩行を体得した。
踊りの様子は、智頭町の公式フェイスブックやインスタグラムのアカウントで配信中。松浦さんは「歌を覚えて安全に横断歩道を渡れるようになってほしい」と願い、鎌谷さんは「家族と動画を見て安全意識を高めてほしい」と話した。
(岸本久瑠人)