多彩な中国人が日本の随所で存在感を放っている。タワーマンション生活の投資家、裕福な留学生、文化を発信するユーチューバー―。日本に暮らす中国人は70万人を突破し、街を歩けば中国語を見聞きすることも増えた。日中国交正常化から50周年の節目だが、友好ムードは感じられない。この国は彼らの目にどう映っているのか。「中国人を知る」をテーマに日本各地を巡った。
無一文からタワマンへ 大阪・不動産会社社長
「この暖炉の火を見つめながらワインを飲んでいると、すぐ1時間ぐらい過ぎているんです」
大阪を代表する繁華街、心斎橋にあるタワーマンション34階。眼下にビル群が広がり、遠く大阪港まで望む。シャンデリアが輝く広々とした応接室で、不動産会社社長、孔慶毅(41)が穏やかな笑顔を見せた。
日本に来た当初は、夢にも思わなかった生活だ。2001年、20歳で宮崎県えびの市の語学学校に留学し...