美保関町の境水道を泳ぐイルカ(高田博文さん提供)=松江市美保関町森山
美保関町の境水道を泳ぐイルカ(高田博文さん提供)=松江市美保関町森山
美保関町の境水道を泳ぐイルカ(高田博文さん提供)=松江市美保関町森山

 境港市と松江市美保関町との間を流れる境水道でイルカの目撃情報が相次いでいる。2頭が並んでジャンプする愛らしい姿は住民や写真愛好家の間で話題に。一方、地元の水産業ではイルカが原因とされる被害が出ており、漁師が対応に苦慮している。

 複数の釣り人や漁師によると、境水道には2020年末から2頭がすみ着いているという。

 取材した4月19日は、松江市美保関町森山の県道2号沿いから午前10~11時に30回以上、体長2メートル程度の2頭が背びれを見せて泳ぐのが確認できた。写真を撮っていた境港市誠道町の高田博文さんは「腹を見せて跳ぶこともある。SNS(会員制交流サイト)に投稿した写真はかなりの反響があった」と喜ぶ。

 浜田市と江津市にまたがるしまね海洋館アクアスの三島有紀海獣展示課長によると、日本近海に生息するバンドウイルカとみられるという。島根県内で夏だけやってくる湾や港はあるが、冬からすみ着くのは珍しく「餌が豊富にあり、危険を感じることが少ない環境だと、とどまるのかもしれない」と推察する。

 ただ、魚を追いかけるため漁師にとっては頭が痛い。イルカは、境水道から島根半島沿いに回った松江市美保関町七類の岸辺でも目撃され、近くの七類定置網漁業によると、イルカを見つけた日は漁獲がほぼゼロになるという。

 網にかかったイルカは海に放すが、宮本輝雄社長は「イルカは賢く、危害を加えられないと学習し、居続ける可能性がある。結果、漁に影響が出る状況が続く」と話している。

      (中村成美)